NJのピラミッドマウンテンにはトライポッド・ロックがある


米国のニュージャージー州にはピラミッドマウンテンというところがあります。けっして大きな観光名所ではなく、マンハッタンから車で約1時間かかり、ニューヨークに来た旅行者がついでに立ち寄るような場所ではありません。最初に知ったのは、NY市周辺の手頃なハイキングコースを探していた時でした。でも「ピラミッドというからには何かがあるのでは?」と時空ウォーカーのアンテナが反応し、俄然興味が沸きました。

調べてみるとなるほどです。ここには私のような岩石崇拝者(?)が喜ぶ「Tripod Rock」(トライボッド・ロック)があるのです。直径1mほどの3つの石の上に絶妙なバランスで巨大な岩が斜めに乗っている不思議な岩です。下の3つの石が脚になって巨石を支えているからトライポッド(三脚)という訳。角度によっては上の石が今にも滑り落ちそうに見えます。こういう岩は英語でバランスド・ロックともいわれます。氷河期に流されてきた岩が、氷河が溶けた時にたまたまこういう形で着地して絶妙なバランスを取り続けているというような説がありますが、この近くには「Solstice Stones」(ソルスティス・ストーンズ)と呼ばれるより小さな2つのトライポッド・ロックも並んでいます。3つの脚があるトライポッド・ロックが3組です。

この角度からだと少し安定してみえますね
より小さな2つのトライポッド・ロック

その成り立ちはどうであれ、だいたいこういうロックフォーメーションは、古代から信仰、儀式、祭りなどと関わってきたはずです。この辺に住んでいたネイティブ・アメリカンにとっては特別な場所だったに違いありません。ソルスティスというのは英語で至点を意味し、2つのソルスティス・ストーンズの間と近くの露頭(地下の岩盤が露出している場所 )の端とを結んだ線は、夏至の日没の方角を示しています。こうなると、なにやらストーンヘンジ的な雰囲気も漂ってきます。

ちなみにこの地域は、1万年以上にわたってアメリカ先住民のレナペ族(Lenape)が狩猟採集や集会の場としていたところ。レナペとは彼らの言葉で「真の人間」という意味だそう。いまのニューヨーク、ニュージャージー、デラウェアに点在していたこの部族の大半は、1860年代の強制移住でオクラホマに移住させられましたが、少数は残って、今も結束を保っており、現在ニュージャージーではレナペの3部族が正式な先住民の部族として州政府に公認されているそうです。

現代のアメリカ人の多くはそんな歴史を知らず、もちろん磐座(いわくら)などという概念があるはずもなく、ここを訪れる人のほとんどはハイキングの途中で立ち寄り、無邪気に岩の間にもぐりこんだり、上に登ってくつろいだりして珍しい岩を楽しんでいます。

ピラミッドマウンテン・ナチュラル・ヒストリック・パークには、いくつかのトレイルが整備されていて、お天気のいい日には2時間程度のほどよいハイキングコースになります。
トレイルヘッド:472 Boonton Avenue, Montville Township, NJ

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