車で回るセントマイケルズ・レイライン(8)ウッドヘンジはライフの象徴?


ストーンヘンジの近く(約3.2km北東)には、ウッドヘンジと呼ばれる遺跡もあります。その名のごとく石の代わりに木の柱がサークル状に並んでいたと考えられる場所です。みつかったのは1925年と20世紀に入ってからですが、作られたのはストーンヘンジの巨石サークルとほぼ同時代の紀元前2500年頃。この日はまず朝一番にここに向かいました。ここは「ストーンヘンジと関連する記念建造物群」として世界遺産にも登録されているのに、知名度が低いからか、早朝だったからか、私たちが着いた時には、誰もいない貸切状態です。おかげで素晴らしい光景をゆっくりと堪能。うっすら霜が降りた地面に朝日が降りそそぎ、美しいことこのうえなく、空気もクリアで、非常に心地よかったです。

ウッドヘンジは6重の同心円で構成されていて、全部で157本の木の柱が立っていましたが(今はコンクリートの円柱)、近年の研究では、ストーンヘンジと同じブルーストーンの石が立っていた穴があり、その石柱がストーンヘンジに組み込まれた可能性があることなどもわかってきました。また、ストーンヘンジとウッドヘンジは一対で、ストーンヘンジは死の世界、ウッドヘンジは生の世界を表していたのではないかとも考えられています。時が経つと朽ちていく木は儚い生を、石は体が朽ちたあとにも残る白い骨やその硬さを象徴するという訳です。また、ここのサークルの中心には、体を屈めた子供が埋葬されていたらしく、奉納の生贄ではないかとも考えられています。

さらに近年はウッドヘンジのすぐ近くでダゥーリントン・ウォールズ(Durrington Walls)という直径450mの巨大ヘンジも発見され、2015年の地中探査装置を使った調査では、土の中に高さ4.5mほどの大きな石柱が100本ほど立ったまま埋まった巨石サークルの存在が明らかになったようです。もともとは200個以上の巨石が設置されていたようで、作られたのはストーンヘンジより1000年以上前だとか。ダゥーリントン・ウォールズの近くでは、紀元前2500年頃の住居跡や、食器、宴会の形跡などもみつかり、冬至に盛大な祝典を催していたようです。ストーンヘンジの巨石サークルを作った人たちが作業期間中にそこに住んでいた可能性や、冬至を祝うためにかなり遠くから人々が集まってきていた可能性なども示唆されています。この一帯にはまだ多くの遺跡も眠っていて、今後の調査の進展が楽しみです。

これは、ダューリントン・ウォールズの住居跡を復元したもの。ストーンヘンジのビジターセンター近くに置かれていました。

ウッドヘンジは、入場無料で、いつでも自由に歩いて回れる遺跡です。広すぎず、混雑もないし、車ならストーンヘンジからもわずか10分ほどの距離なので、ストーンヘンジ周辺の立ち寄り場所としてお勧めです。

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